法律無料相談(過払い請求・債務整理)・借金問題なら三岡司法書士事務所

過払金の利息について(悪意の受益者)

そもそも、どうして過払い金の「利息」を請求できるのか?

まず、民法の704条を理解していただく必要があります。

 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない

多くの裁判例において、消費者金融業者・信販会社は「悪意の受益者」にあたる、とされています。

「その受けた利益」とは、「法廷利率を超える違法な利息分」です。つまり「過払い金」です。

ですから、業者は過払い金の利息をも、返還しなければいけないのです。

それでは次に、「悪意の受益者」について詳しく説明します ( ↓ ) 

 

悪意の受益者とは?

①法律用語としての「悪意」とは、「知っていた」 という意味です。

→ 過払い請求事件において「悪意」とは、「違法利息であることを知っていた」を意味します。

②「受益者」とは、「本来は得ることのできないはずの利益を、不当に得た者」 です。

つまり、「悪意の受益者」とは

 違法利息であることを知っていたのに、利息を受け取り続けた業者

ということです 。

利息は何%まで請求できるのか?

過払金には年利5%の利息が発生します(最高裁平成19年2月13日判決)。

なお、この利息は過払い金が発生した翌日から発生します(最高裁平成21年9月4日判決)。 

裁判になると・・・

利息をあなどることなかれ!

取引の長さ・完済の時期などに個々の取引の事情によって様々ですが、実例として数百万円の利息が発生したケースもあります。

したがって、業者側からすれば、「利息など支払いたくない」と考えるのは当然のことです。

そこで業者は何をするか?民法704条を御理解いただいた皆さんならおわかりでしょう。
「悪意ではなかった」という主張をするのです。
「善意」であれば、利息を支払う必要はなくなるのですから。

そのため、業者は、たくさんの証拠書類を提出したり、様々な理論を使い、「悪意ではなかった」という主張を展開してきます。 

業者側の主張が通る可能性は・・・?

消費者金融業者・信販会社は、貸金のプロであり、貸金業法などの法律にも通じています。

そんな彼らが
違法な利息を受け取っているという認識はなかった
と言い訳をしても、裁判所はなかなか認めてくれません。

当然といえば当然です。

しかし、近時、いくつかの裁判所においては業者側の言い分を認める判決が出され始めているのも事実です。

これには、以下に記す社会的背景が影響しているものと思われます。

ずっと、借主は社会的「弱者」として扱われてきました。

そして当然の如く、弱者である借主(過払い金返還請求者)に有利な判決が続出しておりましたが、ここ数年、多額の過払い金返還に追われた貸金業者の破綻が目立っています。
 
一部の裁判官が、今度は貸金業者を「弱者」とみなし、貸金業者保護に向かっているのです。

こちらとしては、業者側の主張に対し、充分な理論武装をして立ち向かわねば、「利息・悪意」の論点において裁判を有利に進めることができなくなる恐れがあります

当事務所では利息請求まで含め貸金業者との交渉を行っております。

過去の交渉ケースで過払い金を含め発生した利息の返還に成功したケースも多々あります。

お問い合わせ

2016/11/06